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オープナーの狙いは何か【メリットとデメリット】

こんにちは、鳩(はと)です。

 

2018年MLBで実践的に採用されたことで注目を浴びたオープナー。2019年のNPBでも試験的に取り組んでいるチームがちらほら出てきました。ただし、理由や目的も理解せずに単純に1,2イニングで先発投手を交代させれば”オープナー”ってわけでもないので、今回は2018年MLBで行われた”オープナー”について目的などを確認していきたいと思います。

 

 

オープナーについて

抑え投手のことをクローザーと言いますよね。これは、試合を”close”する=”closer”という由来ですね。オープナーはその反対で、試合を”open”する=”opner”というところからきています。

オープナーは2108年シーズンにMLBのタンパベイ・レイズが本格的に採用されたことで、一躍脚光を浴びた継投戦略です。それまでも先発投手が短いイニングで降りるということはありましたが、シーズンを通した戦略として採用されたのは2018年が初の試みだったと言われています。

レイズは戦力不足でシーズン前は下位予想が大半でしたが、オープナーを採用して運用したことで90勝72敗と大きく勝ち越しました。レイズの運用がうまくいっていたことで、ドジャース、ツインズなど、他のチームも採用していきました。

そしてその結果を受けて、2019年NPBでも真似するチームが出てきたというのが現在の状況です。

オープナーのメリット

初回の失点率が最も高い

MLBでは統計による戦略の組み立てが発展しています。その結果、初回に失点する確率が最も高いということが明らかになったそうです。基本的に上位打線に主軸のバッターを並べますから、そのデータが出るのも納得するところです。

また、先発投手は長い回を投げようとするとどうしても全力では投げずに力配分をしてしまいますから、余計に打たれる可能性が上がるというのもあるかもしれません。

これらを考慮した結果、初回を全力でおさるため短いイニング限定でピッチャーを使う、という考えが根底になっています。実際、レイズは当初オープナー役としてクローザーの投手を起用していました。また1イニング限定だったので、2試合で先発起用したってこともありました。まさに「9回1イニング任せる」のが「1回1イニング任せる」に変わったということです。

投手と野手は打席を重ねることで野手有利に傾く

また、打者は対戦を重ねるごとに球に慣れてくることで、だんだんと打者有利になっていくということも分かってきました。上位打線は1試合の中でも一番打席が回ってきます。なんで先発投手との対戦数も自然と多くなります。そこで、初回に別の投手と対戦させることで、少しでも強力な打者との対戦回数を減らそうという目的もあります。

 

ここまではwikipediaにも載っています。ここから下は私の考えなので、データの裏付けとかはありませんのでご了承ください。

 

「イニング」ではなく「対戦打者」を重視

クローザーは9回を投げますが、9回の打者が7,8,9番打者の時ってありますよね。通常クローザーはリリーフピッチャーの中で一番力のある投手ですから、下位打線を相手にするのはちょっともったいない気もしませんか?

それに対して、初回に投げるということは必ず1,2,3番という上位打線と対戦します。そこでビシッと抑えてもらうということです。

連投も可能で1軍枠の消費の心配もない 

2,3イニングではなく1イニングを全力 を任せるというのは中継ぎと仕事は変わらないですよね。ということは多少の連投はききます。しかし、例えば先発3イニング、第2先発3イニング、とすると、翌日2人は投げられません。そうすると、中継ぎ待機できるリリーフの数が減ることになります。

基本的にオープナーは先発陣が物足りないチームが採用すると思いますので、リリーフはできるだけ揃えておきたいところ。って考えると、1イニングを任せるオープナーのメリットとも言えるのではないでしょうか。

  

オープナーのデメリット

試合後半で起用するリリーフが不足する

上位打線と対戦するわけなので、当然実力のある投手を起用しないと意味はありません。中途半端な投手を使って失点しては意味がないわけですからね。と考えると、ストッパーもしくはリリーフエース級を使うことになりますが、そうすると今度はセットアッパー、クローザーとして使える投手が減ってしまいます。2番手投手がどれくらい投げられるかにもよりますが、完投できる能力がある投手を2番手に使うことはあまりないと思うので、リリーフの出番も大いに考えられます。そんな時に主力リリーフがブルペンにいないのは少し心もとないですよね。そういった運用の難しさはデメリットの一つと言えるのではないでしょうか。

評価する指標がない 

ホールド、セーブといった記録がないため、オープナーを評価する記録がありません。そのためオープナーを務めるピッチャーの モチベーションを保つのが難しいという問題があります。前述のとおり、オープナーを務めるべきは主力のリリーバーです。しかし、投げても勝利もホールドもセーブもつかない、敗戦処理にも近い状況で投げることにモチベーションが保てるかどうか。

もちろん年俸に反映されるでしょうが、どれくらいになるのかはシーズンオフにならないとわからないですし、周囲からはわかりにくいのが難点です。

結局有力な先発がいた方が良い 

オープナーといっても結局はリリーフ投手の消費になります。いくら多少の連投はきくと言っても毎試合投げるわけにはいきませんし、結局先発完投してくれる投手がいないと、年間持つことは不可能です。

オープナーはあくまで週に1,2回が限度であり、ローテ全体で採用することはできません。結局は先発投手がいないとチーム運営はやっていけないということです。

 

 

 

オープナーのメリットデメリットはざっとこんなところでしょうか 。日ハムは2イニング投げさせる”ショートスターター”として試験運用しています。またベイスターズもオープナーを採用していました。

いずれもまだ成果を上げているとは言い難い状況ではありますが、柔軟に採用していこうという姿勢は面白いと思います。個人的にはどんどん試していってほしいところです。

 

今回はメリットデメリットについてのまとめまでとしておきます。機会があれば、具体的な話もしていきたいですね。

では今回はここまで。またね~。