こんにちは、鳩(はと)ともうします。
2018年のペナントレースは全体的に打高のシーズンとなりました。ライオンズとカープという攻撃力が優れた両チームが優勝したこともその証左ですね。パリーグの最優秀防御率が2点代後半になりそうなのも久しぶりに感じます。
さて、初心者の私と一緒にセイバーメトリクスを学ぶセイバーメトリクス初心者の勉強シリーズも6回目となりました。今回からは投手編です。
今回も例によって基本的な指標からみていきましょう。
- QS(Quality Start)、HQS(High Quality Start)
- WHIP(Walks plus Hits per IP、算出方法:(与四球+被安打)÷投球回)
- FIP(Fielding Independent Pitching、算出方法:(13×被本塁打+3×(与四球-故意死球+与四球)-2×奪三振)÷投球回+リーグごとの補正値)
QS(Quality Start)、HQS(High Quality Start)
この指標は今では普通に使われますね。QSとは「先発投手が6イニング以上を投げて3自責点以内である」ことで、HQSとは「先発投手が7イニング以上を投げて2自責点以内である」ことを言います。
先発ピッチャーは勝ち数によって評価されることが一般的ですが、価値がつくには打撃陣の援護が必要です。いくら好投しても見方が点を取ってくれなければ勝てません。そこで、勝ち数とは別に、「どれだけ試合を作ったか」を評価するためにこの指標が注目されてきました。
6回3失点は防御率にすると4.50なのでいまいちな気もしますが、長いイニングを投げることが評価されるのでしょうか。先発登板数のうちQSを達成した試合の割合を示すQS率と言う指標もよく目にしますね。
今年オープナーという、先発投手でも長いイニングを投げないという役割がメジャーリーグで注目されてきました。今後はこの指標も重要度が下がるのかもしれませんね。
WHIP(Walks plus Hits per IP、算出方法:(与四球+被安打)÷投球回)
1イニングあたりの被安打数+四球数。つまり1イニングにどれだけのランナーを出すかを示す指標。(ただし死球や失策は含めない。)
いろいろなところで目にする指標ですが、評価としてはいまいちのようです。理由の1つは、単打だろうが長打だろうが同じ価値として計算すること。打率より出塁率、長打率を重視するセイバーメトリクスの考え方からすると、なるほどと思います。
理由の2つ目は、オフェンス編②で触れたBABIPとも関係しますが、インプレーの打球がアウトになるかヒットになるかは投手の力量というよりは野手の力量によるところが大きく、それを投手の評価に組み込むのはいかがなものかということ。投げた後にアウトにするのは野手の仕事(もちろん投手もいち野手になりますが)と割り切るのもセイバーメトリクスの特徴ですね。
まあでも何となくのイメージはつかめる指標なのではないでしょうか。どちらかというと中継ぎピッチャーのほうが適しているようで、ちなみに平均は1.30前後のようです。
FIP(Fielding Independent Pitching、算出方法:(13×被本塁打+3×(与四球-故意死球+与四球)-2×奪三振)÷投球回+リーグごとの補正値)
上のWHIPでも述べましたが、インプレーの打球がアウトになるかヒットになるかは野手の力量による、と大胆に割り切ってしまい、ならば野手が関与しない数値を投手の評価として算出しましょう、という指標です。野手が関与しないものは、本塁打、四死球、そして三振ですね。
13、3、-2というのはそれぞれがどれくらい失点に結び付くかという係数です。統計的な根拠があるようですが、簡単には計算できないので、ここでは固定しておきます。
三振がマイナスということからもわかるように、数字が小さいほうが良い数字になります。防御率に近い数字になるよう係数が調整されているので、評価の目安も防御率を参考にするとよいでしょう。
今回は以上です。ピッチャーは投げた後は一人の野手、というのはよく聞きますが、それを指標の面でも落とし込むのは、合理性を求めるセイバーメトリクスっぽい考えですね。
ではまた~(^^)/